yumeka

TALK ABOUT : Vogue “Without” Dance

In Music on 2015/06/06 at 8:00 am

 

ゲイカルチャーというアイデンティティが置き去りにされ

ビートフォーマットだけが残ったVogueMusicの今までとこれから

 

今年に入ってVogueトラックが入ったmixを多く聞くようになってきた。

だが、ゲイカルチャーの影響はなくトラック自体の面白さが際立ってきている。

この、Ballroomシーンを置き去りにしたVogueの広がりを取り上げていこう。

MikeQ & Sinjin Hawke – ThunderScan

 

今回はRinseFMの毎週のRoskaの番組や、L-Vis1990mix等々で聞けるGrime x Vogueなトラックやインターネット上で産まれるVogueトラックを主題に、Vogue側からのクラブミュージックへの接近やVogueダンスの抽出等々Dommuneでは語りきれなかった事を書いていきたいと思う。

Vogueとは?という方にはの紹介記事TALK ABOUT : The Edge of “VOGUE HOUSE へ。この記事にも被る内容はあるがVogueがどういうものかご理解いただけるだろう。

赤文字はリンクです、レーベル、資料などへ。

 

 

Dance “Without” Vogue

 

 

最近、Vogueがもつ極端な女性性の誇張、ダンススタイル、セクシャリティという要素を切り離し、よりビートを強調したサウンドが増えている。Baltimore,JerseyClub,そしてVogueというハネたビートを洗練させたようなトラックだ。

従来のいわゆるVogueBeats(HA Beatzとも)と違うところはVogueダンスのためのビートではなくトラック単体として成り立っている、というところだ。

どんなものかは現行のDJ達が残しているmixでどのように使われているかを実際に聞いていただくのが早いだろう。

日本でもDJユニット国士無双、DJ RSなど、多くのDJVogueサウンドをツールとしてmixしているのを耳にする。このようにゲイカルチャーとは切り離されたところでVogueが派生し続けている。

 

前回の記事でゲイカルチャーの音楽をMikeQBassMusicへと昇華させた話はしたが、そのリリースを他のトラックメイカーがどう受け取ったかは差異があるようだ。多くのプロデューサーはJersyClub,BaltimoreClubと並ぶハウス・ミュージックがルーツのストリート要素のある変則ビートの一部として扱っており様々なトラックが生み出されている。

MikeQのリリース後の2011年前後のトラックを列挙してみよう。

チャラい。4拍目にVogueHitそしてJerseyClubBedSqueak音を入れ良い水準のBassHouseに仕上がっている。変則的なHouseをリリースするOrigamiSoundから

インターネット上の得体の知れないトラックメイカーPoorSportFadeToMind/NightSlugs直系のサウンド

こちらはGhettoHouse/Jukeをメインに作るSupramanVogue解釈

Rushmoreは多くのVogueトラックをBallroomMC等と共作しているがこちらは彼がVogueトラックを作り始めた初期のトラック。シンプル。

このリリースにも触れておこう。オンラインアンダーグラウンドの雄として度々引き合いに出されるBenAquaのレーベル#FEELINGSからのリリース

 

このようにVogueを活用したトラックは増え続けている。2012年にはClekClekBoomからFrenchFriesJeanNiponを筆頭に多くのUK FunkyともVogueともつかないサウンドがリリースされておりその後のBassMusicへ大きな影響を及ぼした。またオリジナルだけではなくVogueに興味を持ち始めたプロデューサー達はRemixのフォーマットとしても活用されている。

 

 

おおまかに分けて、トラック/アーティストの方向性は3つあり、BassMusic勢(特にGrimyなサウンド)、Vogue/Ballroomカルチャーの人々、そしてインターネットを介したその中間だ。今回はBallroomカルチャーの人々によるトラック(いわゆるHA Beatz)は省くが興味があったら調べてみて欲しい。

GrandivaaによるJamCityのアンセムリミックス。2012年から急速に勢力を拡大するレーベルB.YRSLF Divisionから

良作オリジナルやHiphopVogueリミックスを手がけるFobaの言わずと知れたDisclosureLatchのリミックス。

日本のPopグループfhánaによるアニソンをSugar’sCampaignとしても活躍するプロデューサーAvecAvec公式リミックス

EDMB-MoreVogueを組み合わせたトラックを多くリリースするAstronomarによるラガネタEDMリミックス、MainCourseから

Nobel – MyReactionEPのリミックスEPに収録。リミキサーは他にもWZ GrimeBad Mojo等新鋭プロデューサー達の意欲作である。

日本のラッパーJinmenusagiがラップをするこの曲は盛岡のプロデューサーDubbyMapleが作っており、Cuntとも違うノリ方でVogueトラックを乗りこなす


レーベル単位で言えばUKBassシーンを主にVogueルーツを感じさせるトラックがリリースの多くを占めているレーベルも存在する。

Tessier-Ashpool RecsMachineMusicを標榜しGrimeともVogueともUK Funkyともつかないトラックをリリースし続けている今年注目のレーベル。


ClubwerkOrigamiSoundのサブレーベル的位置にある。Vogueビートに忠実なのだがVogueに由来する声ネタはほぼ使わずインダストリアルな世界観を貫いている。


CarClashSetBass系のレーベルだがVogue/B-more/Jersey系のリリースの質が良く好調なレーベルの一つだ。


TraxCoutureAirMax’97を筆頭に変則BassをリリースするRushmore主体のレーベル。UKでのレーベルパーティHouse of Traxが有名。


WidadRecordsB.YRSLF Divisonの姉妹レーベル。ビーツ系からVogueまで多彩にリリースしている。

 

 

そしてインターネットを介したその中間、と述べたようにUK BassをメインにVogueが派生していることもあり最近ではGrime勢とVogue勢の交流も盛んである。Grime/UK Funkyの詰め込んだような激しいパターンとその合間の隙がVogueと相性がいいのかもしれない。

ResidentAdvisorのレビューでも高評価を得たこのトラックGrimeプロデューサーGageVogueコメンテーターKevin Jz Prodigyとの共作だ。激しいGrimeに乗せてBallroomのバトルでMCしているかのようにGrimeビートをアップデートしている。

Grimyなビートを作っていたKruegerは徐々にJerseyからVogue周辺ビートへ。

Rushmoreは同じくVogueコメンテーター/プロデューサーのDivoli S’vereと共に。

VogueBeatzプロデューサーByrell The GreatによるCAKES DA KILLAのトラック

 

このようにVogue側からのアプローチも多く、こうして出来たトラックを逆輸入的にVogueダンサーが踊るパターンも存在する。勿論ひとり歩きしていったVogueサウンドでは拍が取りづらいこともあってイマイチ踊りにくいようだが、概ね友好的に迎えられている。またFactmagThe FADERThumpなど海外オンライン・メディアでもVogueの音楽について言及した記事が増えており、関心度が高いことが伺える。

Vogueからダンススタイルだけの抽出という現象もまた最近顕著になって来ている。以前はJPopPerfumeを筆頭にPV上でのダンスに取り入れられてきたが、FKA Twigsの登場やayabambiの存在などによりダンスそのものも注目を浴びている。Vogue Is Not For You: Deciding Whom We Give Our Art Toとタイトルの付いたブログが物議を醸したりもしてるが下の動画を見る限り大丈夫だろう。

FKA Twigsのショーケースの後にVogueダンサーのレジェンド達が続々と踊りだす 

Vogueカルチャー・ミュージックはNightSlugs/FadeToMindがDatOvenのIcyLakeを”再発見”したことやそれを受けてのVogue系ビートのリリース、Rinse/オンラインへの拡散、同時期に流行していたBaltimore,Jerseyとの合流を経て、Bassミュージックと混ざり合った。

Vogue/Ballroomの元々のプロデューサーやダンサー達、Ballroomカルチャーを置き去りにしたプロデューサー達、そしてGrimeやオンラインを介して交流を続ける人々。大きく3つに分けられたこのシーンの拡散・派生はビートの多様性やVogueダンスを象徴として付かず離れずまだまだ続くだろう。この流れを周辺ジャンルを追いながら楽しみにしていきたい。また何かコメントがあればTwitterまで寄せて欲しい。

 

Mike QはWasabeatのインタビューでこう語っている。

ただ全員が本当にVogueを作っているとは言えない。影響を受けたり作ろうとしているだけ。でもこれは悪いことではない。

なぜなら僕はシーンの外にいる人の音を聴くのが好きだから。難しいけどそういう音をBallroomに当てはめてみると面白い。

なんにしても僕の音楽を聴いてくれている人達には本当に感謝しているし、そのまま自分の作りたい音を作っていって欲しい。

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